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働き方改革推進支援助成金の概要と活用のポイント

解説 | 公開日: | 最終更新:

制度のポイント

働き方改革推進支援助成金とは

働き方改革推進支援助成金は、労働時間の縮減や年次有給休暇の取得促進など、働き方改革に取り組む中小事業主を支援する厚生労働省所管の助成金です。取り組みの内容に応じて複数のコースが設けられており、制度設計や機器・システム導入の費用の一部が支給されます。

主な取り組みの例

  • 労働基準法に基づく時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)の締結・届出と、その遵守体制の整備
  • 労務管理システム・タイムレコーダーの導入(勤怠の適正な管理)
  • 年次有給休暇の計画的付与制度の導入
  • 労働時間の短縮のための業務改善・工程の見直し
  • 隔休日・週休3日制など、休暇取得促進に向けた仕組みづくり

申請の基本的な流れ

  1. 取り組み内容・対象労働者・実施期間を決定
  2. 労働基準監督署等への手続き(36協定の届出など)が済んでいるか確認
  3. 支給申請書類の作成(実績を証明する書類・勤怠記録など)
  4. 期日内に支給申請(実施後の申請が中心)

支給対象・外れやすいポイント

  • 勤怠記録の不備: 始業・終業時刻の記録がない、退勤打刻が運用上ない場合は評価されない
  • 36協定の届出漏れ: 届出が済んでいないと、時間外労働に関する取り組みの助成対象にならない
  • 実施期間の設定: 対象期間が明確に設定されていないと計算できない
  • 既存の取り組みとの重複: 同一支出の重複は対象外
  • 取り組み前の契約・発注: 支給対象期の前に契約や支払いを済ませた費用は、その期の取り組みとして計上できないことが多い。契約日と実施日が計画に沿っているか確認する
  • 勤怠記録と賃金記録の不一致: 打刻や勤怠の集計と賃金台帳の時間数が食い違うと、取り組みの成果を確認できない。月次で突合しておく

コース・支給率・要件は年度ごとに改定されるため、厚生労働省の公式案内または都道府県労働局の案内で必ず最新版をご確認ください。

申請のコツ

「36協定の遵守」「有給休暇の取得促進」といった基本の取り組みを先に整え、その上で機器導入の助成を検討すると、申請資料が整理しやすくなります。

対象事業主と制度の位置づけ

この助成金は、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の年5日取得義務といった、法律で求められる対応を中小事業主が果たす過程を財政面から支える制度です。単なる設備投資の補てんではなく、勤怠管理の整備・休暇取得の促進・労働時間の適正化という一連の取り組みを計画的に実施した事業主を評価する仕組みで、取り組みを実施してから支給を申請する流れが基本になっています。

対象は原則として中小事業主で、資本金・出資の総額と常時使用する労働者数の基準で判定されるのが一般的です。法人・個人の別は問わず、個人事業主であっても従業員を雇用して取り組みを実施すれば申請できる場合があります。一方、基準を超える大企業は対象から外れることが多いため、自社の区分を最初に確認してください。判定は事業主ごとに行われますが、グループ会社がある場合や出資関係が複雑な場合は、取り組みを始める前に労働局や相談窓口で確認しておくと安心です。

活用の進め方としては、まず職場の労務課題を洗い出し、次に取り組む内容を1年程度の計画として具体化し、その後に対象労働者と実施期間を決めるという順序が整理しやすくなります。助成金は取り組みの結果を評価する制度なので、申請のためだけに帳面を合わせるのではなく、実際の労務管理の改善に紐づけた計画にすることが、支給決定の確実性を高めることにつながります。

また、取り組みの対象期間は年度をまたがない方が管理しやすく、年度末の繁忙期に作業が集中しないよう、申請スケジュールを逆算して計画を組むのが実務上の定石です。導入した機器が実際に使われているかどうかも支給の判断材料になるため、導入だけで終わらせず、職場での運用ルール(打刻のタイミング・修正の方法・確認者の役割)を文書として残しておきましょう。

取り組み前の基礎固め

36協定の届出や就業規則の整備など、前提となる手続きが済んでいないと、時間外労働や年休に関わるコースの対象にならないことがあります。機器の導入計画よりも先に、労務管理の土台を確認しましょう。

支給申請の手順と必要書類

  1. 自社の労務課題(残業の多さ・年休消化率・打刻の運用など)を整理し、取り組むコースを決める
  2. 36協定の届出・就業規則の整備など、前提となる手続きを済ませる
  3. 機器やシステムを導入する場合は、契約書・領収書などの支払い記録を保管する
  4. 取り組みを実施し、対象労働者の勤怠記録・賃金記録を実施期間の全期間で残す
  5. 支給対象期の完了後、期日内に支給申請書と添付書類を提出する

添付書類の典型は、労働者名簿・出勤簿や打刻記録の写し・賃金台帳・36協定届の写し・導入機器の領収書などです。コースごとに求められる書類が異なるため、申請様式の記載要領に沿ってそろえます。勤怠の記録は後から付け足せないため、取り組み開始の段階で記録の形式と打刻ルールを職場に周知しておくことが重要です。申請後に記載内容の補正を求められた場合は、指摘された箇所を落ち着いて修正し、期日までに対応してください。申請書類は控えを必ず保全し、支給決定後も一括して保管するのが安心です。

申請後は、労働局による審査を経て支給決定通知が交付され、指定の口座に支給額が振り込まれます。審査では、申請書の記載内容と添付の勤怠記録・賃金記録が整合しているかが確認されるため、数値の丸めや記録期間の食い違いがないか提出前に照合しましょう。不支給決定となった理由が書類の不備にある場合は、案内に従って再提出が認められることもあります。

両立支援等助成金とは

両立支援等助成金は、育児・介護と仕事の両立を支援する取り組みを実施した事業主に対して支給される厚生労働省所管の助成金です。1つのコースではなく、複数のコースから構成されており、それぞれ対象となる取り組み・受給条件が異なります。

両立支援等助成金の主なコースの例

  • 育児休業等支援コース: 育児休業の取得促進・復職後の支援など
  • 介護休業等支援コース: 介護休業の取得・職場の支援体制づくり
  • 職場風土改善コース: 全従業員を対象とした働き方の見直し(男性の育児休業取得促進など)
  • 再就職支援コース: 育児・介護による離職者の再就職支援

コースの内容・名称・支給条件は改定されるため、申請前に公式案内で確認してください。

両立支援等助成金の受給までの基本的な流れ

  1. 対象とする取り組み(制度・計画)を決定し、就業規則等に反映
  2. 取り組みの実施(対象労働者ごとの記録を残す)
  3. 取り組み期間の完了後、期日内に支給申請(都道府県労働局・ハローワーク)

両立支援等助成金の申請で外れやすいポイント

  • 就業規則の整備漏れ: 制度導入の前に、就業規則・雇用契約書等の整備が前提になるコースがある
  • 対象労働者の範囲: 労働者一人ひとりの取り組み状況の記録が求められる
  • 男性の育児休業取得: 取得実績・計画を要件とするコースがあるため、計画の早期化が重要
  • 既存の取り組みとの区別: 支給対象期間の設定ミスに注意
  • 事前の計画づくり: 取り組みを始める前に、対象労働者・期間を定めた計画の作成が求められるコースがある。実施後の後付けでは要件を満たせないことがある
  • 社内周知の記録: 制度を就業規則に定めるだけでなく、対象者への説明や周知を行った記録が求められる場合がある。説明会や案内資料の配布記録も残す

申請の進め方

「対象労働者ごとの取り組み記録」を月次で整えることが、支給申請を成功させる最も確実な準備です。書類は労働局の公式様式に従って作成します。

コースの詳細・支給率・要件は年度ごとに変わります。最新情報は厚生労働省の公式案内または都道府県労働局・ハローワークでご確認ください。

両立支援等助成金の制度の背景と対象となる事業主

育児・介護休業法では、事業主に対して育児休業や介護休業の取得促進、職場復帰後の支援など、講じるべき措置を定めています。両立支援等助成金は、こうした法定措置に加えて、より手厚い制度や職場風土を整える事業主を評価する仕組みで、労働者の両立を支える職場づくりが広がることをねらいとしています。法で求められる措置を整えたうえで、さらに一歩進んだ取り組みをする際の財源として位置づけると整理しやすいでしょう。

支給の仕組みとしては、取り組みを計画し、対象労働者ごとに実施状況を記録し、完了後に申請するという形が基本です。取り組みの内容によっては、複数の支給対象期に分けて段階的に評価されるコースもあります。制度は改定が多いジャンルなので、自社の職場課題と、年度の案内に示されたコースの要件を照らし合わせながら、取り組みの設計を進めるのが確実です。

対象となるのは、雇用保険の適用事業所で労働者を雇用する事業主です。大企業も対象となるコースがある一方で、中小事業主に手厚い扱いが設けられている場合もあります。対象労働者は正社員に限らず、パートタイム労働者も勤務条件次第で育児休業を取得できますので、制度の適用範囲を就業規則で確認しておくことが出発点になります。

助成金として受給するには、法定の措置を満たすことが前提になる点にも注意が必要です。たとえば、育児休業に関連したコースでは、育児休業制度そのものが就業規則に定められているか、取得の申出を円滑にする仕組みがあるかが確認されます。制度の土台づくりから始めるという意識で計画を立ててください。

介護に関わる取り組みでは、介護休業のほかに、時間に柔軟な勤務形態や所定外労働の免除といった措置を組み合わせる余地があります。要介護の状態は長期に及ぶことが多く、一度の休業だけで対応が済まない現実に合わせて、継続的に利用できる職場の仕組みを整えることが、制度の本来のねらいに近い取り組みといえます。

計画の見直しは早めに

対象としていた労働者の退職や休業時期の変更などで計画どおりに進まないこともあります。支給要件に関わる変更が生じたら、そのまま進めるか計画を修正するかを、取り組みの途中で判断してください。後付けの変更は申請時に説明が難しくなります。

両立支援等助成金のコース選びと計画づくりの進め方

コースを選ぶときは、自社の職場課題を先に棚卸しします。育児休業の取得実績や男性の取得状況、介護を抱える労働者の有無、退職した理由の傾向などを確認し、どの課題に取り組むかを絞り込みます。そのうえで、取り組みを実施する期間と対象労働者を決め、計画に沿って進める形が基本です。計画は一度に大きなものを目指すより、着実に実施して記録を残せる範囲から始めるほうが、支給申請の成功率は上がります。取り組みの初期には、職場への説明会や制度の案内資料の配布といった準備段階も記録として残しておくと、実施の事実を示す資料として活用できます。

複数のコースを組み合わせることも可能です。たとえば、休業取得の促進と、復職後の勤務に配慮した制度の導入を並行して進めるといった組み合わせが考えられます。ただし、それぞれのコースで対象労働者や実施期間が異なるため、記録の管理をどの単位で行うかを最初に決めておかないと、申請の段階で整理に時間がかかります。組み合わせる場合は、費用の按分や対象労働者の重複がないかも確認が必要です。

計画を立てる時点で、就業規則の該当条項・実施する制度の内容・対象労働者の範囲・実施期間・記録の方法を一覧にしておくと、申請書類の作成が格段に進めやすくなります。時間をかけてでも最初に整理する価値があります。

よくある質問

打刻ができない業種でも申請できますか

外勤や直行直帰が中心の職種では、携帯電話やタブレットからの打刻、勤務表の確認など、運用に合わせた記録方法が認められることがあります。問われるのは労働時間を適正に把握している実態ですので、記録方式の説明ができるようにしておきましょう。

年休の取得率がまだ低くても申請できますか

年休取得の促進を内容とするコースでは、計画時点と実施後の取得状況が評価の対象になります。現状が低いほど取り組みの効果が出やすいため、計画段階で目標を明確にして、実施後の記録を整えることが大切です。

支給決定までどのくらい時間がかかりますか

申請の集中期や書類の補正が必要な場合には、決定までの期間が延びることがあります。提出前の記載漏れチェックと補正依頼への迅速な対応が、結果として最短の受給につながります。

一度受給した後も、別の取り組みで申請できますか

同一の支出を二重に申請することはできませんが、コースによっては段階的な取り組みや別の機器導入を対象にできる場合があります。次の計画を立てる際は、前回の支給対象期間との重複の有無を確認してください。

個人事業主でも申請できますか

従業員を雇用し、雇用保険の適用事業所として取り組みを実施できれば、個人事業主の区分で申請できるコースがあります。法人との違いを問われる場面では、事業の実態が同じく評価の対象になるため、勤怠や賃金の記録が整っていれば心配は要りません。

有期雇用やパートタイムの従業員も対象にできますか

対象労働者の範囲はコースごとに定められています。雇用形態を問わず取り組みの対象に含められることがあるため、申請前に案内で範囲を確認し、記録する労働者を決めておきましょう。

他の補助金や給付金と併用できますか

取り組みの費用を複数の制度で補てんすると、同一支出として支給対象から外れることがあります。併用の可否は制度ごとに異なるため、費用を分担して計上するかどうかを、事前に案内や窓口で確認してください。

助成金の申請でやってはいけないことは何ですか

取り組みを実施していないのに記録だけを後づけで作ることは、不正受給に当たり返還や処分の対象になり得ます。あくまで実態に合わせた記録と申請を心がけ、進め方に迷いが生じたときは窓口に質問してから進めてください。

申請を外部の専門家に依頼できますか

社会保険労務士などの専門家に書類作成や記録整備を任せることもできます。ただし、取り組みの実施と記録は事業場の運用そのものであるため、依頼する場合も自社側の担当を決めて、記録が日々積み上がる体制を整えておく必要があります。

支給申請はいつまでに行いますか

取り組みの実施期間が完了してから、一定の期日内に申請する方式が一般的です。期日を過ぎると受給できなくなるため、取り組みの終了時期を逆算して、記録の整理と書類作成の日程を決めておきましょう。申請期限はコースの案内で必ず確認してください。

対象労働者が取り組みの途中で退職したらどうなりますか

コースや支給対象期の設定によって扱いが変わります。要件を満たさなくなった部分は支給対象から外れることがあるため、退職の時期と取り組みの進捗を記録に残し、申請書に反映できるようにしてください。判断に迷う場合は労働局の相談窓口に確認するのが確実です。

申請までの書類作成で苦労しやすいのはどの部分ですか

対象労働者の記録と、申請書の支給額の計算根拠を一致させる作業が大きめです。実施中に月次で台帳を整えておけば、最後の集計は足し合わせるだけの作業になります。逆に、完了後の一括整理では抜けや誤りが発生しやすいので注意してください。

取り組みの記録はどの程度詳しく残せばよいですか

対象労働者ごとに、実施した制度・利用した日数・面談や説明の実施状況などがわかる形が目安です。月次で整えておけば、申請時に一から作り直す作業が減り、添付書類との整合も取りやすくなります。

男性の育児休業取得とどのような関係がありますか

男性の取得率を上げることを目的としたコースがあり、取得実績や取得計画を要件とするものがあります。単に制度を整えるだけでなく、実際に取得する労働者が出るまでを計画に組み込むことが、支給の要件として重要になります。

育児休業給付金と両立支援等助成金の違いは何ですか

育児休業給付金は休業する労働者に対して雇用保険から支給される給付で、両立支援等助成金は取り組みを実施した事業主への支給です。同じ休業の状況を、労働者と事業主のそれぞれの面から支える仕組みとして整えられています。

申請はどの窓口で手続きすればよいですか

管轄の都道府県労働局・ハローワークが窓口となります。コースによって様式や添付書類が異なるため、申請前に案内を入手して進め方を確認するのが安心です。分からない点は、窓口の助成金相談で質問できます。

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執筆: 行政情報部 編集部(運営: sanbonko)

各省庁・自治体の一次情報源に基づいて、公的制度に関する情報を整理して解説しています。記事の内容に誤りや古い情報がある場合は、お問い合わせよりご指摘ください。

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